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発達のはなし

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発達のはなし



<はじめに>
 「小児科は何歳までですか」と聞かれることはよくあります。生まれて1ヶ月までを「新生児」と言います。1歳までを「乳児」と言い、小学校入学までを「幼児」と言います。世の中では「成人」は20歳以上となっています。最近は選挙権を18歳に下げる議論もあり成人もそれに沿うようにという意見も出始めています。今までの考え方だと小児科は中学生までの子どもの病気を診る科と言われていますがそれ以降20歳までは曖昧になっているのが現実です。しかし現実はそう簡単ではないのです。今小児科で問題になっていることに「Transition(移行)医療」があります。15歳前に発症して小児科を受診した心臓、血液、神経などの病気で成人になっても医療の必要な病気です。これらの病気を抱えている人の医療はかなり専門性が必要です。こどもの病気を十分知らない内科の専門医が診るのかこれから発症するかもしれない大人の病気を十分知らない小児科医が診るのかまた小児科医、内科医が協働して診るのか暗中模索の状態です。


 ぞうさん先生のこどもクリニックはこれら専門性の必要とする病気は診ていませんがこれら病気を持っている人が些細な風邪などの病気をしたとき受診する人もいるのです。


 発達と言う言葉が入っている病気として「発達障害」があります。「発達」と似たような言葉として「成長」「成育」があります。人の人生を受胎から老いて死亡するまでをとらえてこどもを考える言葉として「成育」があります。小児科医は将来の老人を診るという視点を持っているのです。「発達」の狭い意味は成人になっていく過程での機能的変化を言います。「運動発達」「精神発達」「言語発達」などで使われます。一方体重や身長の変化を「成長」と言います。狭義の発達と成長を一緒にした言葉として「発育」があります。広義の「発達」はこれらすべてを含んだとき使います。ですから人は自分の人生の幕を閉じるまで発達し続けると言えるのです。


 このコーナーでは健診など発達に関することや「発達障害」など小児科医ならでの話題を考えていきたいと思います。